次世代オーディオに対応するワイド&ダイナミック再生。UHCシングルプッシュプル回路搭載。
新世紀へ向けて進化したプリメインアンプ誕生。
日本コロムビア株式会社(DENON)では、ご好評をいただいておりますプリメインアンプ“PMA-S10”シリーズの3世代目となるモデル、 PMA-S10III-Nを新発売いたします。
UHC-MOSを採用したシングルプッシュプル回路による繊細さと力強さを両立した表現力、アルミ砂型鋳物ケース採用のS.B.(Stable Based)トロイダル・トランスによる広ワイドレンジ&低ノイズ再生、高剛性6ブロック・セパレーテッド・シャーシによる共振や回路間の相互干渉の抑止など、従来の定評ある高音質テクノロジーに加えて、今回のモデルでは、SACDやDVDなどの次世代オーディオに対応するワイドレンジ再生を実現。中でも実使用時のノイズレベルを低減することにより、スペック以上のサウンドクオリティを獲得しています。さらに、量産モデルのパワーアンプ電源としてはじめて高周波整流用に開発されたショットキー・バリア・ダイオードを採用したことをはじめ、徹底した防振設計、厳選された高音質パーツのグレードアップ等、細部にわたり徹底した高音質テクノロジーを投入しています。
PMA-S10III-Nは、“S10シリーズ”の優れたテクノロジーにさらなる磨きをかけて、次世代オーディオにまで対応し、「S」のエンブレムにふさわしい表情豊かな音の世界を創造します。
PMA-S10III-Nの主な特長
■ 200W+200W。織細さと力強さを表現するUHCシングルプッシュプル回路搭載
最小単位の増幅素子で高音質化と高度なスピーカードライプ能力の両立を図るため、大電流型増幅素子UHC-MOSを採用。これによりUHCシングルプッシュプル回路をさらにパワーアップし、繊細な表現力を持ちながら200W+200W(負荷4Ω)のハイパワーを実現しました。優れた電流リニアリティがスピーカーへの安定した電流供給を可能にし、ソースに込められた微妙なニュアンスやダイナミックな音のスケール感をリアルに表現します。
■ 次世代オーディオに対応したワイドレンジ再生
ボリウム回路、卜ーン回路、パワーアンプ回路の各々を見直し、実使用時の周波数特性の上限を100kHzに改善。さらに、ボリウム回路を改善することにより、実使用時にアンプ内で発生するノイズを抑え、高度な分解能を獲得。SACDやDVDなど高品位な次世代オーディオに対応するワイドでダイナミックな再生を実現しています。
■ アルミ鋳物ケース採用、S.B.(Stable Based)トロイダル・トランス
パワートランスには大型磁気回路を持つトロイダル・トランスを採用しました。磁気飽和領域に対して広いダイナミックレンジを持つ設計を行うことで音楽信号への追従性が改善されています。また、卜ロイダル・トランスの弱点であった振動の問題もアルミ砂型鋳物ケースを使用したS.B.(Stable Based)方式の固定法により改善しました。さらに電源増幅段やフォノイコライザーの電源の巻線を独立。信号リレー等を制御するコントロール回路電源のトランスも独立させる事により、各回路間の相互干渉を抑え正確な動作を実現しています。
■ 高速・大電流に対応する整流回路
パワートランスから出力された交流電源を直流電源に変換してアンプ部に供給する整流回路には、量産モデルのパワーアンプ電源としてはじめて高周波整流用に開発されたショットキー・バリア・ダイオードを並列接続で搭載。高速動作による低ノイズ特性と優れた大電流特性により、電源回路の低ノイズ・低損失・高速化を実現。力強くノイズの少ない高音質再生を可能にしています。さらに、低インピーダンス電極箔を使用した大容量高音質電解コンデンサーと周波数特性の異なる高音質コンデンサーの組み合わせにより、よりパワフルでレスポンスのよい特性を得るばかりでなく、再生周波数の全体域でつねに安定した電流供給を実現しています。また、パワートランス出力からパワーアンプ出力段までの配線は、極太のOFC配線材を使用し、エネルギーロスを最小限に抑えています。
■ 共振や回路間の相互干渉を抑える高剛性6ブロック・セパレーテッド・シャーシ
回路間の相互干渉やノイズの流入による音質劣化を抑え、優れたステレオイメージを得るため、パワーアンプブロックをL/Rで独立させたツイン・モノラル構成を採用。さらに、信号レベルの異なる回路も分離し、遮蔽を徹底した6ブロック構造を採用しました。また、振動によるノイズの発生を抑えるため、シャーシには黒色塗装を施した厚さ1.6mmの鋼板を使用。高い剛性を確保するとともに、シャーシ内の温度の均一化を実現しています。振動を熱に変換しシャーシに振動が伝播するのを抑える焼結合金インシュレーターには、吸収性の高い新素材を貼り、その効果を高めています。また、振動の影響を受けやすいパワーアンプ回路/パワーラジエターの取り付け方法を改善し、パワートランスの振動系と分離しました。さらに、トップカバー天面の6点止め化などにより外部からの振動の影響も低減、いっそうの高音質化を図っています。
■ 音の純度を守るPRECISION SIGNAL GROUND回路を搭載
信号増幅の基準点となるグランド回路に対し、定電流回路などのノイズ電流の流入を低減しました。動作基準が明確になることでクリアなサウンド再生を実現します。
■ バイワイヤリング対応・大型メッキ・スピーカーターミナル
スピーカーターミナルは、黄銅削り出しパーツに金メッキを施し伝送ロスを抑止。またクランプ部の穴径をφ6mmと大型にし、極太スピーカーケーブルにも余裕をもって対応します。さらに、2系統あるスピーカーターミナルはバイワイヤリング接続が可能です。
■ 高性能フォノイコライザーを搭載
ローノイズFETを使用したディスクリート構成の初段回路を採用した高性能フォノイコライザーを搭載。フォノコライザー専用の安定化電源により、高音質でのアナログレコード再生を可能にしています。またMM/MCどちらのカートリッジもスイッチの切替だけで使用できます。
■ 高音質パーツを蔵選して使用
高音質(40型)4連ボリウムをはじめ、大型削り出し金メッキピンジャック、OFC内部配線材、不活性ガス封入型リレー、高音質コンデンサー、着脱タイプの極太電源コードなどの従来の高音質パーツに加え、新たにシルミックII電解コンデンサーなど、洗練された次世代高音質パーツを厳選して使用しています。
PMA-S10III-Nの主な仕様
[パワーアンプ部]
- 定格出力:両チャンネル駆動(CD→SP OUT)
・100W+100W(負荷8Ω、20Hz〜20kHz、T.H.D. 0.07%)
・200W+200W(負荷4Ω、1kHz、T.H.D. 0.7%)
- 全高調波歪み率:0.01%(定格出カ-3dB時、負荷8Ω、1kHz)
- 出力端子:スピーカーAorB 負荷4〜16Ω、A+B 負荷8〜16Ω、バイワイヤリング 負荷4〜16Ω
[プリアンプ部]
- イコライザーアンプ出力:150mV
- 入力感度/インピーダンス:
・LINE150mV/47kΩ(ソースダイレクトオフ)
・LINE150mV/100Ω(ソースダイレクトオン)
・PHONO MM 2.5mV/47kΩ
・PHONO MC 0.2mV/100Ω
- RlAA偏差:
・PHONO MM 20Hz〜20kHz±0.3dB
・PHONO MC 30Hz〜20kHz±0.5dB
[総合特性]
- 周波数特性:5Hz〜100kHz(0〜-3dB)
- SN比(Aネットワーク):
・LINE:110dB(入力端子短絡時)
・PHONO MM:91dB(入力短絡時、入力信号5mV時)
・PHONO MC:76dB(入力短絡時、入力信号0.5mV時)
- トーンコントロール:
・BASS(低域):100Hz±8dB
・TREBLE(高域):10kHz±8dB
- 電源コンセント:
・SWITCHED(連動):2個、合計容量120W
・UNSWITCHED(非連動):1個、容量240W
[その他]
- 電源:AC100V、50/60Hz
- 消費電力:300W
- 外形寸法:W434×H181×D485mm
- 質量:28kg