DENONは、1980年(昭和55年)6月、アームパイプ交換式プレーヤーシステムDP-60Lを商品化、発売致しました。
DP-60Lは、音質・デザイン・機能性・操作性共に高い評価をいただき、ユーザー、販売店、マスコミの皆様の熱い御支援により、おかげさまで中級プレーヤー市場でのベストセラーモデルとなりました。
その後「アームパイプ交換式プレーヤー」は、近年のカートリッジのハイコンプライアンス化、軽針圧化、軽量化に対応するため、各社からも商品化され、今や中級機の必須の機能となっております。
新製品DP-57Lは、本格派指向のユーザーを対象に「アームパイプ交換方式」に加え、新たにDP-100Mで、その音質改善効果が実証された「純電子式アームダンピング機構」を搭載し、超高級カートリッジの性能を完全に引き出します。
新製品DP-57Lは、DP-60シリーズの内容を更に一歩進め、価格は\79,800という売れすじ価格帯に登場させた戦略モデルです。
【DP-57Lのセールスポイント】
■抜群の音質
「電子アーム」+「アームパイプ交換方式」
高性能カートリッジが理想の状態で使用可能。ワウフラッター感の激減、シャープな音像定位とクリアーな音質が実現。
■優れたデザイン
「美しさ」+「頼もしさ」
DENON伝統のあきのこない落ちついたデザイン。先進のフォノモーター、トーンアームを質感のある豪華ウッドキャビネットにマウント。
■信頼性と耐久性
「ACアウトローターサーボモーター」+「DENONクオーツ」
プレーヤーの心臓部はモーターです。当社独自の理想のモーター「ACサーボ」。
回転精度、静粛性、耐久性の良さには、業務用レコードプレーヤー、カッティングマシーン用モーター設計のノウハウが活きています。
マニュアルプレーヤーに求められているものは何でしょうか?
フォノモーターの回転精度、回転トルク、モーターシャフトの耐久性も確かに重要です。しかし、一部のFG検出のワウフラッターデータ論争は全く意味が無いと考えます。デンオンは一貫して優れたモーターに優れたサーボ回路を組み合わせ、音響的に優れたターンテーブルを搭載し、レコードプレーヤーの回転系が音質にどのような影響を与えるかを考えると同時に、その優れた音質を長期間に渡り推持するためにどうするかを考えてきました。
プレーヤーシステムの音質を考える場合、最も技術的に改善の必要性がある部分、それがトーンアームであると考えます。新製品DP-57LにはDP-100Mで圧倒的な評価を得た純電子式トーンアームを搭載しました。
【主な特長】
■高性能カートリッジの性能をフルに発揮させる電子アーム搭載
トーンアームの低域共振ピークを押える純電子式無接触アームダンピング機構搭載
レコードのソリや偏心等によって発生する低域周波数成分とカートリッジ実装状態でのトーンアームの固有共振周波数が重なると
- 音像定位がボケる(クロストーク、位相特性の悪化)
- 音がはっきりしない(混変調歪の発生)
- カートリッジボディでレコード盤をこする。
という現象が発生し、音質が劣化し大切なカートリッジ、レコードも傷めます。
トーンアームダンピング機構により、低域ピークを制動するわけですが、低域でのアーム感度が悪化する等、性能上の問題点を有するオイルダンプ等のメカニカル機構には使い勝手、環境変化での特性変化、経年変化等の問題が多くハイコンプライアンスカートリッジ等では特に好ましくありません。
DP-57Lでは、トーンアームダンピング機構に純電子式無接触ダンピング機構を搭載しています。磁気反発を利用した無接触方式ですから、アーム感度が悪化することもなく、軽針圧カートリッジでも安定したトレーシングが可能です。
インサイドフォースキャンセルも無接触で行なっているため、水平感度も非常に高くなっています。また、純電子式ですので、環境変化、経年変化にも強い、という利点があります。
ダンピング量の調整は、アームベース部のボリュームダイヤルで微調整が可能ですから、レコードを聞きながらダンピング機構の効果直接耳で確認できます。
また、当社テストレコード(デンオンXG-7002)を使用すれば、電子式アームダンピング機構の効果を目で見ることができ、あわせてトーンアーム固有の低域共振周波数を調べることもできます。
電子アームの効果として
1.トレーシング能力の拡大
2.ハイコンプライアンス、軽針圧カートリッジを安心して使える。
3.シャープな音像定位
4.音のぬけ、明瞭度が増す
5.ワウフラッター感の減少等が挙げられます。
■プレーヤーシステムの心臓部には当社独自のACサーボモーター搭載
本質的にコッキングがないACサーボモーターの特長を生かし、低振動でなめらかな回転を与えています。アウトローター型の採用で、効率のアップを図っています。
さらに万全を期し、モーターハウジングはダイカストで形成されています。
■スピード検出に磁気記録検出方式を採用
スピード検出は、ターンテーブルリム内周に高精度で記録された1000個のパルスを磁気ヘッドで検出します。
一般に用いられているFG検出と異なり、検出周波数が高く、フラッター領域まで確実で安定したサーボがかけられるため、聴感歪が低くなめらかな音質が魅力です。
■肉厚ターンテーブル採用で、ターンテーブル鳴きエコー防止
■最新のサーボ技術を応用し、トーンアームを設計
電子アームの特長
- 高感度ローマスアームですから、高級カートリッジでも安心して使えます。
- 電子式ダンピング機構付ですから、レコードのそりに強く、音像定位、音質が向上します。
- S字パイプは、ラテラルハランスが完全です。(オートリフトアップ付ではDENONだけ)
- Qダンプ調整ダイヤルで、レコードを聞きながら、微調整が可能です。
- インサイドフォースキャンセルは、純電子式無接触形ですから水平感度が抜群です。
- オートリフトアップ検出は、光学式、電子式無接触形ですから、カートリッジにストレスを与えません。
- ストレートとS字パイプの交換だけでなく、4種のカウンターウェイトを交換する徹底ぶりです。
- カートリッジに合わせ、高さ調整が可能です。
ACサーボモーター
■その他の特長
- 無接触検出サイレントリフトアップ機構。
- 業界初、「S字」「ストレート」交換時の操作性が向上するオートバイプセレクター。
- ラミネートダンプトシェル。
主な仕様
■フォノモーター部
- 駆動方式
- モーター
- スピード制御方式
- 回転数
- 回転数偏差
- スピード切換え機構
- ワウ・フラッター
- 0.009%W.rms(回転系)
- 0.02%W.rms(JIS)
- SN比
- 起動時間
- 1.8秒以内で規定回転(33 1/3 r.p.m.時)
- 負荷特性
- ブレーキ
- 電源電圧特性
- ターンテーブル
■トーンアーム部
- 形式
- スタティックバランス・電子制御 ストレート形、パイプ部交換可能
- 有効長
- オーバーハング
- トラッキングエラー
- 針圧可変範囲
- 適合カートリッジ自重
- ストレート・パイプ時:4〜15g(シェル等含む)
- S字形パイプ時:11〜20g
- アーム高さ調整範囲
- 出力コード
- 付属機構
■その他
- キャビネット
- 電源
- 消費電力
- 外形寸法(ダストカバーを閉めた状態)
- 重量
■保証書つき