今、カートリッジはMC時代
現在、国内でカートリッジは約400種販売されていますが、その中で120機種はMCです。
従来MCはDL-103の様に、 NHKを始め放送局用として使用されていましたがオーディオの高級化に伴い、くせのないすぐれた特性を持つMCカートリッジ愛好家は巾広く増え続けております。
さらに、MCがダイレクト入力できるプリメインアンプが多出している事もMC増に一層拍車をかけています。
新しいジャンルのレコードのDレンジをクリアーしたDL-301
レコードのジャンル別売上げ調査によると、ニューミュージック、和製ロック等の含まれる歌謡曲部門が増え続けております。又演奏に使用される楽器もシンセサイザー、エレキギター等の電子楽器が多用されており、又ドラム、ベース等のリズムセクションが強い傾向にあり、明るくパンチのある音楽が増えてきました。
DL-301は、 MC型の良さである歪がなく、くせのない音質であらゆるジャンルのレコード再生に適しますが、中でもニューミュージック、フュージョン等の新しい音楽は、パンチのある明るい再生音で特に持ち味も引き出します。
主な特長
1. 高性能ハイコンプライアンス軽量カートリッジ
優れたトレース能力を発揮するために、振動系の実効質量の軽減はもとより構造の合理的軽量化を進め、DENON MC形カートリッジで最も軽い4.7gという自重を実現。この結果DA-401等の軽質量高感度アームや、ストレートアーム搭載のDP-60L/M、DP-75Mなどと組み合せることにより、レコードのソリ、偏芯などによる悪影響も少なく、しかも1.4gの軽針圧で高いトレース能力を発揮します。
2. 2ウェイダンパー採用で20Hz〜60kHzの広帯域までリニアな周波数特性を実現。
一般的に、実効質量を小さくしコンプライアンスを高く設定すると、カートリッジのトレース能力は向上して再生周波数帯域は広くなります。しかし、振動系の共振現象等の問題は解決されず高域でピークを持つ周波数特性を示します。これを防ぐため、カンチレバーに二重構造、テーパードアルミパイプを使用し剛性を高めると共に、2ウェイダンピングシステムにより、中低域と高域をそれぞれ分担してダンピングし60kHzに至る迄リニアな周波数特性を得ることができました。
また、この方式によりDENON独自の振動系と相まって、室温の影響による音質の変化も最少限に抑えています。
3. 軽量で強固な一体成型ボディ
DL-301は、小型で強力なサマリウムコバルトマグネットと出力端子も含めたベースをガラス繊維入り硬質樹脂で一体成型しています。この結果、軽量で強固なボディから振動を防止し、シャープで定位の良いクリアーな音を再生します。
4. 実効質量0.27mgを実現
針先から見た振動系の実効質量の低減と高剛性を両立させる為、カンチレバーは肉厚0.025%の極薄テーパードアルミパイプ、二重構造となっています。
針先は、0.14×0.07mmの長方形断面のソリッドダイヤブロックで特殊楕円針を採用し、一段と高いトレーシング能力を発揮します。
5. サマリウムコバルトマグネットによるダイレクトフラックス方式
小型で強力なサマリウムコバルトを使用し、磁気回路の合理設計により軽量化を実現しました。
6. 操作性・安全性の高いスタイラスプロテクター装備
DL-301のスタイラスプロテクターは、従来の着脱式ではなく、はね上げ式プロテクターを採用しています。スタイルも機能性と現代感覚を兼ねそなえています。
7. オーバーハングゲージ兼用のカートリッジホルダー
オーバーハング調整が容易に調節できるように、カートリッジホルダーにゲージが目盛られています。
シェルにDL-301を取り付ける場合、このゲージ目盛により正確にオーバーハングを調整することができます。
また、このホルダーには針先拡大用のルーペが設けられていますので、針先の汚れなど、クリニックに使用できます。
DL-301の主な仕様
- 形式:ムービングコイル形
- 出力電圧:0.3mV(1kHz 5cm/s 水平方向)
- 再生周波数範囲:20Hz〜60kHz
- 出カインピーダンス:40Ω
- 適合負荷:100Ω以上(トランス40Ω)
- チャンネルセパレーション:28dB以上(1kHz)
- チャンネルバランス:1dB以内(1kHz)
- スタティック・コンプライアンス:35×10-6cm/dyne
- ダイナミック・コンプライアンス:13×10-6cm/dyne(100Hz レコード測定)
- 針先(チップ):0.14×0.07ミリ角ソリッドダイヤ 特殊楕円針
- 適正針圧:1.4g±0.2g
- 自重:約4.7g
- 針交換価格:\13,000(本体交換)