昭和20年(1945)8月、戦争の終結を日本全国に告げた玉音放送は、DENONの円盤録音機によって録音再生された。
現在、東京の愛宕にあるNHK放送博物館には、この録音に使われた円盤録音機と同タイプのモデル、及び記録された円盤が展示され、終戦当時を物語っている。
愛宕山のエレベーターを上がり、博物館の玄関を入って左に行くと階段がある。この階段を上がった2階の正面にある、「ラジオ放送の始まりと広がり」のコーナーに、ラジオ放送の開始から「玉音放送」による終戦までの放送機器と文献などが展示されている。
実際に記録に使われた機械は、先に登場しているDP-17-K 可搬型録音再生機であり、展示品は同タイプのB型モデルとなる。
記録に使ったセルロース製の円盤は、同じくDENON製である。当時の円盤は一枚で3分しか記録できなかった為に、玉音放送の5分の内容を、前半部、後半部の2枚に分けて記録し、再生された。
天皇陛下の録音自体は2回行われ、実際の放送には、2回目の録音盤が使用されたそうである。
その他にも、放送の歴史がうかがえる博物館を、是非訪問していただきたい。
この録音は、NHKが宮内庁内で行い、記録された円盤は、極秘裏に内幸町の放送会館まで運ばれた。終戦を良しとしなかった軍部の目を避ける為に、二手に分かれて運んだそうである。
この玉音放送にまつわる、昭和20年8月14日正午から、翌15日正午に放送されるまでの24時間が、大宅壮一編、岡本喜八監督の東宝映画「日本のいちばん長い日」の中で克明に描かれている。登場する機械、円盤は、現物と若干異なっているが、DENONの円盤録音機、録音盤が重要な役割を果たしている。東宝株式会社よりビデオが発売されているので、是非ご覧いただければと思う。
■NHK放送博物館
【所在地】
〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1
TEL:03-5400-6900
http://www.nhk.or.jp/museum/
【開館時間・休館日】
開館:午前9時30分〜午後4時30分
休館:月曜日・年末年始(12月29日〜31日)
入場料:無料
※NHK博物館は、現在リニューアル中のため休館しております。
詳細は NHK放送博物館ホームページをご覧ください。
■東宝映画
「日本のいちばん長い日」DVD
http://www.toho-a-park.com/dvd/item/html/TDV/TDV15209D.html