ハイレゾ音源にも対応する、デノン独自のデータ補間アルゴリズムによるアナログ波形再現技術の最新バージョン「Advanced AL32 Processing Plus」を搭載。進化した独自のアルゴリズムによって補間ポイントの前後に存在する多数のデータからあるべき点を導き出し、限りなく原音に近い理想的な補間処理を行います。デジタル録音時に失われたデータを精巧に復元することで、歪みのない繊細な描写、正確な音の定位、豊かな低域、原音に忠実な再生を実現しています。
ディスクドライブには、DCD-SX11と同一のAdvanced S.V.H. Mechanismを搭載。ピックアップの制御とデコードを担う回路を新たに開発し、回路を最短、最小化することにより余分な電流やノイズを発生させない設計を行いました。ステンレスと銅板を組み合わせて剛性を強化したトップパネル、アルミダイカストトレイ、2mm厚のスチールメカブラケットなど、メカニズムの各パーツを異なる素材で構成。高質量による制振性の向上と共振点の分散化によって、高いレベルの制振性を実現しています。また、メカを低重心化することでディスクの回転により内部から生じる振動を低減させることはもちろん、外部からの振動にも強い構造としています。不要振動を排除することによりサーボ系の動作を最小限にとどめ、無駄な制御や電流の消費を抑えることで高精度かつ安定したデジタル信号の読み出しを可能にしています。
DACをマスターとしてクロック供給を行い、デジタル回路を正確に同期させるDACマスター・クロック・デザインを採用。マスタークロックをD/Aコンバーターの直近に配置することで余分なジッターの発生を抑え、高精度なD/A変換を実現しています。また、デジタルオーディオ回路の性能を最大限に発揮させるためには、半導体動作の基準となるクロックの品質が極めて重要になります。そのために周波数の変位である位相雑音を大幅に低減したクロック発振器を搭載しています。さらに、高品質なクロックの性能を余すことなく引き出すために、クロック電源回路を大幅に改善。クロック電源の根元には、高周波インピーダンス特性に特に優れたデノンカスタムの音質用導電性高分子コンデンサーを配置し、クロックの近傍には積層セラミックコンデンサーとは異なる、超小型フィルムコンデンサを新たに配置することで、これまでにないクリアで澄み渡る空間表現やS/Nの向上を実現しました。さらに周波数(44.1kHz / 48kHz)別に2個のクロック発振器を搭載し、音源のサンプリング周波数に合わせて切り替えることでジッターを極小化しています。
信号の性質の異なるデジタル回路とアナログ回路の電源をトランスから分離。2トランス構成とすることで、相互干渉とノイズの回り込みを排除しています。また、スチール製のトランスベースの下にアルミプレートを組み合わせて剛性の強化を図っています。
D/A変換回路以降のアナログオーディオ回路の電源部には、新開発のデノン・オリジナル大容量(3300μF)ブロックコンデンサーを採用。さらに、DCD-SX1やDCD-SX11にも搭載した高音質電解コンデンサーや高音質ポニフェニレンスルファイドフィルムコンデンサーなど、試聴と試作を繰り返しながらパーツメーカーと共同開発したカスタムパーツを用いることにより、クリーンかつ強力で安定した電源供給を実現。エネルギー感と緻密さを高次元で両立しています。
DCD-SX1やDCD-SX11の設計思想を受け継ぎ、回路全体の「シンプル&ストレート化」を徹底。原音に限りなく忠実な再生を行うために、基板上のパターンをゼロから見直して信号の引き回しを最短の経路としています。その結果、回路間および左右チャンネル間の干渉や外部からの音声信号への悪影響は最小化され、クリーンかつ透明感の高いサウンドを実現しました。
ディスクの回転や電源トランスにより内部で発生する振動や、スピーカーの音圧による空気振動が再生機器に伝わることで起こる音楽信号の劣化。これらを効果的に防ぎ、繊細な音楽信号を守るにはどうしたら良いか、このテーマに対して、デノンがこだわり続けてきた振動抑止構造が「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」です。自らが振動体でもある電源トランスをフットの間近に配置することで、振動を直接グラウンドへと逃がし、周辺回路への不要な振動の伝搬を防止しています。 また、もっとも大きな質量を持つパーツであるドライブ・メカニズムをシャーシ中央の低い位置に配置することで低重心化を図り、ディスクの回転による内部的な振動や外部から受ける振動にも強い構造を実現。さらに、1.2mm厚のメインシャーシに1.6mm厚スチールプレートを2枚追加した3層構造とすることで、圧倒的なシャーシ剛性と十分な質量を持たせ、外部からの振動エネルギーを遮断しています。
堅牢なドライブ・メカニズムや電源トランス、シャーシの大きな重量を支えるフットには、高密度で高剛性なBMC(Bulk Molding Compound)を採用。さらに、BMC素材にガラス繊維を加えることにより更なる剛性アップを図っています。接地面に貼る生地についても、素材や厚みを変えて何種類も試作した中から高密度フェルトを採用。防振効果をさらに高めるとともに、入念な音質チューニングも施しています。
CDやスーパーオーディオCDの再生に加え、DVD-R/-RWやDVD+R/+RWに記録したDSD(2.8 MHz / 5.6 MHz)、最大192 kHz / 24 bitまでのハイレゾ音源を含む音楽ファイルの再生に対応しました。CD-R/-RWでは、サンプリング周波数48 kHzまでのファイルを再生することができます。
※1 CD-R / RWでは、サンプリング周波数が48 kHzまでのファイルを再生できます。
※2 DSD信号の再生中はデジタル音声出力を停止します。
PMA-2500NEなどデノン製のアンプを操作することもできるアルミトップリモコンが付属しています。また、デノンのネットワークオーディオプレーヤーDNP-2500NEと本機をリモートコントロールケーブルで接続すると、「Denon Hi-Fi Remote」アプリを使ってスマートフォンやタブレットから本機の操作を行うこともできます。
主な仕様 | ||
■ オーディオ特性 | スーパーオーディオCD | CD |
チャンネル | 2チャンネル | 2チャンネル |
再生周波数範囲 | 2 Hz ~ 100 kHz | 2 Hz ~ 20 kHz |
再生周波数特性 | 2 Hz ~ 50 kHz(-3 dB) | 2 Hz ~ 20 kHz(±0.5 dB) |
S/N比 | 120 dB(可聴帯域) | 118 dB |
ダイナミックレンジ | 112 dB(可聴帯域) | 101 dB |
高調波歪率 | 0.0006 %(1 kHz、可聴帯域) | 0.0015 %(1 kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下 | 測定限界以下 |
出力レベル | 2.0 V(10 kΩ) | 2.0 V(10 kΩ) |
信号方式 | 1 bit / DSD | 16 bit / リニアPCM |
サンプリング周波数 | 2.8224 MHz | 44.1 kHz |
■ 入出力端子 | |
アナログ音声出力端子 | アンバランス出力×1 |
デジタル音声出力端子 | 同軸デジタル出力×1、光デジタル出力×1 |
その他 | IRコントロール入出力×1 |
■ 総合 | |
外形寸法(W × H × D) | 434 x 138 x 335 mm |
質量 | 13.7 kg |
消費電力 | 25 W |
待機電力 | 0.1 W以下 |
付属品 | かんたんスタートガイド、取扱説明書、リモコン、単4形乾電池×2、 音声ケーブル、電源コード |