新製品DP-1000は、発売以来ご好評をいただいているDP-3000のデザインイメージを受けつぎ、基本性能を維持させて、合理的なコストダウンを行なってよりコンパクト化した高性能ダイレクトドライブ・サーボターンテーブルです。
DP-1000の特長
1)ダイレクトドライブ・サーボターンテーブル
DP-3000と同様、モータのシャフトでターンテーブルを廻しています。ベルトやアイドラなどの回転伝達機構がありませんので、それらに起因するワウ・フラッタやランブルがなくまた摩耗や変形を生じる部分が少ないため初期性能が長期間にわたり維持されます。
2)DENON独自の高精度磁気記録再生方式によるスピード検出機構
ダイレクトドライブ方式の性能を左右する回転スピードの検出にはDENON独自の極めて精度の高い磁気記録再生方式を応用しています。
ターンテーブルのリム内周にパルス信号(1000個)を記録し、それに近接した磁気ヘッドで検出することにより回転スピードを制御しています。この記録波長誤差は1/10000以下という高精度、しかも検出周波数が高いので制御回路の利得と安定度が大きくとれ特にターンテーブルの応答性、安定性が良く、ワウ・フラッタは0.03%w.r.m.s以下という高性能です。
3)交流ソリッドロータ形トルクモータで滑らかな回転
交流モータは直流モータの宿命であるコッキング現象のない原理的に振動の少ない滑らかな回転であり、しかもモータの駆動波形にも考慮をはらっていますので非常に滑らかな回転が得られ、ワウ・フラッタやランブルの点で優れS/Nは60dB以上得られます。
これはDP-3000と同じモータを使用しています。
4)安定した回転スピード
回転スピードの検出にDENON独自の方式を採用しているため、サーボ回路の利得と安定度が大きくなり針圧やアームの位置などの負荷条件の変化に対しても、また電源の周波数や電圧の変動、温度変化などの外部条件の変化に対しても常に安定した回転をいたします。
5)軽いターンテーブルと早く素直な立上り特性
応答性の速いスピード検出系と安定したサーボ系の実現により、従来の方式では採用困難なターンテーブルの軽量化に成功いたしました。このため起動特性は1/2回転(33%rpm時)以下、しかも素直な立上り特性を得ています。
ターンテーブルの軽量化により軸受けの負担も軽くなり、モータの耐久性をより高め、長期間安定した性能を保つことができます。
6)電源スイッチと連動のスピード選択ノブ
回転スピードの切替は回路の基準電圧を変えて行い電源スイッチと連動しています。フィーリングの良いワンタッチの操作でスタートストップができます。(カメラやDENONトーンアームに使われている特殊高級グリスを使用しています)
7)わかりやすい内蔵スト回ボ
DP-3000と同じくストロボ窓から33・1/3、45回転の2本のストロボだけが見えるようになっています。(使用電源周波数の変更時にはストロボシャッタを切替えて下さい。使用電源周波数の切替はこの部分のみです。)
ブロックダイアグラムの説明
スピード検出用磁気ヘッドでターンテーブルのリム内周に記録されているパルスを検出し、そのパルス信号を増巾して、リミッタ回路を通し、復調回路によってスピードの変化を電圧の変化に変換します。そしてこの電圧とあらかじめ規定のスピードになるようにセットされた基準電圧とを比較し、その差の電圧でモータの駆動電圧をコントロールしてサーボを行います。したがってスピード切換えは基準電圧を切換えることによって簡単に行うことができます。
主要規格 DP-1000
- 駆動方式:サーボ式ダイレクトドライブ
- モータ:交流ソリッドロータ形トルクモータ
- スピード制御:周波数検出による電圧サーボ方式
- 回転数:33・1/3、45rpm
- スピード切替機構:マイクロスイッチとカムレバーとの組合せによるスライド方式
- 起動時間:1.8秒(1/2回転、33・1/3rpm時)
- ワウ・フラッタ:0.03% w.r.m.s以下(テストレコードによる)
- モータボード:アルミダイカスト
- SN比:60dB以上
- 電源:AC1OOV 50/60Hz
- ターンテーブル:30cmアルミダイカスト
- ターンテーブル重量:1.1kg(慣性モーメント160kg・cm2)
- 回転数調整範囲:規定スピードに対して±3%
- 重量:6kg
- 消費電力:11W